「タイミーに時間を使ってくれてありがとう」創業メンバーが語る歴史

2019.12.12更新

20億円の資金調達やテレビCM放送など、サービスリリースから勢いを増し続けている株式会社タイミー。連載企画「#おしえてヒストリ」の第一回目では、株式会社タイミーさんにタイミー躍進の裏側や、社員のみなさんに浸透する文化についてお話を伺ってみました。

「タイミーに時間を使ってくれてありがとう」創業メンバーが語る歴史

2018年8月に応募や面接が必要なく、すぐに働くことができるスキマバイトアプリ「タイミー」をリリース。
2019年11月時点で利用者数は43万人、サービスを導入している店舗数は7000店舗と、今最も勢いに乗っているスタートアップのうちの一社。
最近では今年10月に発表した20億円の資金調達と、タレントの橋本環奈さんを起用したテレビCMなどが話題を呼んだ。
(左)小川嶺さん/代表取締役(右)阿久津岳志さん/リードエンジニア

ラブグラフでは、法人向け出張撮影「ヒストリ」のプランリニューアルに伴って、期間限定でご紹介いただいた企業様へ訪問し、体験撮影と各企業様の特集をする連載企画「#おしえてヒストリ」を行っています。
記念すべき第1回は、スキマバイトアプリ「タイミー」を運営する株式会社タイミーさんを特集。今回は、代表取締役の小川嶺さんと、創業メンバーでリードエンジニアの阿久津岳志さんにお話を伺いました。

1.「目立ちたがりやで、人を楽しませるのが好きだった」

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 高校時代のインターン中の小川さん
——小川さんに関してですが、高校の頃から起業に関心があったと記憶しています。当時から自分でお金を稼ぐことって主体的に考えていたんでしょうか?

小川さん:あんまり考えてなかったですね。中学高校とサッカーをしていました。

——そうなんですね。今思い返すと、結果的に当時の経験が活きているなと思うことはありますか?

小川さん:僕は生徒会長でもあったんですけど、そこで会社っぽいことをやりました。例えば、文化祭の集客数を増やしたりだとか。確か3,000人くらい。来場者数はそれで10,000人を超えましたね。

——10,000人?!そんなにくるものなんですね。

小川さん:元々マーケティング思考が好きだったんだと思います。「今まで来ていた7000人のお客さんってどういう属性なんだろう?」みたいなことを分析していたんですよね。
そうしたら、地元の人が全然来ていないことがわかったんです。なので、地元の巻き込みをしたらもっと集客数上がるじゃん!と考えました。
仕掛けとしてはベタなんですけど、縁日ストリートを作ったりして、そこでビンゴ大会とかを企画して、その広報を地域のスーパーとかにチラシでポスティングしていったら増えましたね。

——なるほど。当時から施策に対してちゃんと実績が出ているところはすごいですね。

小川さん:たぶん昔からずっと目立ちたがりやなんですよね。生徒会長もそうですし。サッカー部の経験でいえば、派手なプレーというか、全員が湧くようなプレーをやったりだとか。周りの人間を楽しませることが好きでしたね。

——目立ちたがりやですか。ちょっと単純かもしれないですが、その延長で起業家になりたいって思うようになったとか?

小川さん:実際、経営者にとっては大事なスキルなんじゃないですかね、目立ちたがりやって。
特にtoCだったら目立った方が結果的にユーザーに対しての広報戦略とかも効くと思いますし。
僕はもともとtoCしかやりたくないっていうプライドみたいなものもありましたが。
目立ちたがりやっていうのはたぶんつながっていると思います。
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 目立ちたがりやと起業の関連について話す小川さん

2.「タイミー自体ではなく、その先のビジョンに惹かれて」

——タイミーを立ち上げるまでにいくつか事業を立ち上げたとお聞きしたのですが、そこからなぜタイミーを着想するに至ったのかについて教えてください。

小川さん:自分自身本当にお金がなかったんです。日雇いのアルバイトとかをやっていたのがきっかけですね。
日雇いのアルバイトって、説明会をわざわざ聞かないと働けないことが多くて、その日にお金がもらえることもあんまりないんです。それがすごい不便だと感じたところからですね。

——不便だと感じたところから、マッチングサービスのビジネスモデルまで思いついたんですか?

小川さん:アルバイトで働いてくうちにオーナーと仲良くなって、そこで人手不足が深刻だという話を聞きました。本当に全員が全員「人手が足りない」って言っていることがわかって。
コンビニで働いていたときは、60歳を超えた店長が毎日12時間以上働いていたんですよね。それって社会課題だなあと思ったし、少しでもそういう現場を手伝ってあげたいな、というところからこのサービスを考えました。
そのあと実際にアプリを作るってなって、あっくん(阿久津さん)を紹介してもらったんです。
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 創業当初のことを思い出すお二人
——実際にこのアイデアを聞いた時、阿久津さん自身ぶっちゃけどう思いました?

阿久津さん:正直これを聞いた時は「あ、なんかよくありそうなやつやな」って思ってしまいました。
そこにはあんまり魅力を感じてなかったんですよね。
だけど、その時に入ろうと思えたのは、タイミー自体ではなく先にあるビジョンが大きかったです。
こういうサービスを作るって言い張って、それだけじゃなくその先の将来の妄想力がすごいっていうか、妄想が激しいっていうか……そこに惹かれましたね。

——妄想が激しい……!

小川さん:あっくんが入ってから1ヶ月でアプリを作ったんです。彼が来るまでは何も始まっていなかったみたいなものですね。

——すごいスピード感ですね。エンジニアのいない状態でアイデアを練って、一気にリリースまで持って行けたのは。

阿久津さん:毎日楽しかったよねえ!

小川さん:奇跡みたいなものだったね。毎日本当に激しかった。
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 和気あいあいと仕事をするデザイナーのお二人
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 創業当初のメンバーのみなさん

3.「あの時だって一生懸命だったから」

——創業当初から挫折知らずって感じですね。

小川さん:いやいや、毎日トラブルしかなかったですよ……。まずリリースのときがやばかったよね。

阿久津さん:あれは本当に大変だった。

——そんなに大きなトラブルがあったんですか?

小川さん:8月2日にアプリをリリースする予定だったんですよ。それで、豪華にクルージングパーティーと記者会見をセッティングしたんです。
でもいざ当日になったら、App Storeにアプリの申請が通らなかったんです。
あの時は30社くらいの記者が来ていたのに、クライアント向けに管理画面だけをリリースしたっていう……。
今思うと、結構笑えないねあれは。

阿久津さん:よくなんとかしたよね。あとは、今までテレビ露出があるとサーバーがほぼ100%落ちていました。
でも、今回のテレビCMからようやく落ちなくなったんですよね。

小川さん:だいぶ成長したよね!それに関連するとですが、創業メンバーでサーバーを担当していたエンジニアが辞めちゃったりとかもあったりましたね……。

阿久津さん:そうそう。それを聞いてそのエンジニアの弟子的なメンバーまでやめるって言い出したんですよ。
でも結局彼は今でもうちで頑張ってくれていて、彼がいなかったら、今回のCMの時もかなりやばかったと思います。
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 創業当初のメンバーのみなさん
——そんなトラブルの中で学んだことや、後悔していることはありますか?

阿久津さん:後悔していることか……あんまり思い出せないな。

小川さん:うーん、たぶんそもそもあんまり後悔していないんですよね。
例えば、仲間が辞めてしまうっていう時も、結局その人と働けてよかったな、出会えてよかったなって思うし……。
みんながポジティブマインドなのもありますけどね。

阿久津さん:「あの時もっとできたな」って思っても、実際あの時サボっていたわけじゃなくて、本当に一生懸命やっていたし、どうせ今戻ってやり直したとしても、あれ以上のことはできないと思います。

小川さん:そうだよね、たぶんどうせ変わらないよね。僕らはずっとベストを尽くしてきているからこそ、後悔はしていないのかなと思います。
一見無駄打ちに見えている鉄砲玉みたいなことがあるからこそ今があると思っていて。そういう無駄や失敗からたくさん学んでいるから、今こうして色んなことができるようになっているんじゃないかなと思うんですよね。

——全ての経験が今につながっているということですね。逆説的に無駄なものなんてない、ということでしょうか。


「タイミーに時間を使ってくれてありがとう」創業メンバーが語る歴史  7番目の写真
 当時の事件やトラブルについて語るお二人

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